コラム

働き方改革による中小企業・小規模事業者に対する支援について

2018.11.01

最低賃金制度が働き方改革によって制定されました。

これにより特に中小企業や小規模事業者は影響を受けるとされています。

その為、厚生労働省は経済産業省と連携し、影響を受けるであろう中小企業や小規模事業者に対する支援を3点実施しています。

今回は、厚生労働省と経済産業省が連携して行っている3点の支援事業について1つずつ説明していきます。

専門家派遣・相談等支援事業

中小企業や小規模事業者は、就業規則や賃金規定の見直し、または労働関係助成金の活用方法などの労働管理条件を相談できない状況があります。

そこで厚生労働省は47都道府県に働き方改革推進支援センターを設置し、気軽に相談しやすい環境づくりを行っております。

特に以下の4つの取り組みをワンストップで支援しております。

①長時間労働の是正

②同一労働同一賃金等非正規雇用労働者の待遇改善

③生産性向上による賃金の引上げ

④人手不足の解消に向けた雇用管理改善

業務改善助成金事業

制度としては、生産性向上のための設備投資などを行い、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を一定額以上引き上げた中小企業・小規模事業者に対して、その設備投資などにかかった経費の一部を助成する制度であります。

この制度の目的としては、中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援し助成金を付与することで、その企業の最低賃金の引上げを図るためにあります。

①対象事業者について

最低賃金が1,000円未満の中小企業・小規模事業者が対象になります。

ただし引き上げる賃金額により、支給対象者が異なります。

※あくまで対象者でも支給の要件を満たす必要があります。

②助成額について

助成額についてはまとまっている表がありましたので、抜粋し下記に貼り付けました。

写真タイトル


厚生労働省 [2]業務改善助成金:中小企業・小規模事業者の生産性向上のための取組を支援より引用

上記表のように申請コースごとに定める引上げ額以上、事業場内最低賃金を引き上げた場合、生産性向上のための設備投資等にかかった費用に助成率を乗じて算出した額を助成します

時間外労働等改善助成金事業

業種別の事業団体が、その傘下の事業主のうち、労働者を雇用する事業主の労働者の労働条件の改善の施策です。

具体的には販路拡大の為の時間外労働の削減や賃金引上げに向けた取組を実施した場合に、その事業主団体等に対して助成するものです。

では実際に支給対象になる取り組みはどのようなものがあるのでしょうか。

支給対象の取り組み

1 市場調査の事業

2 新ビジネスモデル開発、実験の事業

3 材料費、水光熱費、在庫等の費用の低減実験(労働費用を除く)の事業

4 下請取引適正化への理解促進等、労働時間等の設定の改善に向けた取引先等との調整の事業

5 販路の拡大等の実現を図るための展示会開催及び出展の事業

6 好事例の収集、普及啓発の事業

7 セミナーの開催等の事業

8 巡回指導、相談窓口設置等の事業

9 構成事業主が共同で利用する労働能率の増進に資する設備・機器の導入・更新の事業

10 人材確保に向けた取組の事業

※支給には1つ以上を取り組む必要があります。

まとめ

最低賃金の施策が働き方改革によって制定され、最低賃金を上げる取り組みが盛んになってきました。

ですが中小企業・小規模事業者は金銭面や知識の面から影響を受けやすく、取り組みに躊躇してしまっているのが現状です。

その現状の中で、厚生労働省は経済産業省が連携して行っている支援事業はとても有効に働いているでしょう。

支援事業によって事業者が取り組むことで事業者自体は助成金を受け取ることができ、労働者は賃金を受け取れ最終的には、社会全体の生産性が上がるまで期待できると考えます。

上記のような状態になるまで時間がかかるとは思いますが、地道に行っていくべきです。

参考文献

厚生労働省 最低賃金引上げに向けた中小企業・小規模事業者への支援事業

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/index.html

厚生労働省 賃金 | 賃金引上げ、労働生産性向上

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/chingin/minimum/minimum-01.html

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